カテゴリ:ゆめとうつつのあいだで( 11 )

夜の電車で

夜、新宿で電車にのって
おうちをめざして
北へ北へ

電車の窓から見える
新宿の街は
ネオンのあかりが
雲に反射して
街全体がぼんやりと明るい

ふと、うたたねをする

気づくともうだいぶ
北へ移動している

街はとっくに通り抜け
線路のまわりには
田んぼが広がっている
田んぼのあぜ道には
ぽつぽつと街灯があるだけなので
あたりは真っ暗

この、暗さに気づく瞬間
夜のなかにからだがふっと
浮かぶような、そんな気分
とても、すき

電車の外は夜が充満していて
でも、電車の中は蛍光灯の
あかりでこうこうとしている

あんしんなひかりのはこに乗って
夜の中をすすんでいく

あぁ、夜って暗いんだと思う

草木も花も
虫も鳥も
今はとっぷりとした
夜の底にしずんでいて

でも、あしたになれば
朝日が射して
万物は色をとりもどすのだ
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by momo-cinnamon | 2007-09-02 20:55 | ゆめとうつつのあいだで

ハシ君とサジ君 つづきの話

小梅「ねぇおかーさん、どうして最近、しいたけないの?」
母「だって、中国産のしいたけは農薬づけなのよ、だから買わない事にしたの。」
小梅「えぇー、じゃあ、国産のを買ってくれればいいじゃない。」
母「だって、国産しいたけは高いのよ、せつやくせつやく。」

この会話を、冷蔵庫の影に隠れて聞いていたハシ君。
そろそろ食器棚に戻ってもいいかな、と思いました。

小梅「ねぇおかーさん、どうして最近、ほうれん草のポタージュつくってくれないの?」
母「だって、ミキサーって洗うのめんどうくさいのよ。」
小梅「そんな理由なんだ……。」

この会話を、炊飯器の影に隠れて聞いていたサジ君。
そろそろ食器棚に戻ってもいいかな、と思いました。


かくして、ハシ君とサジ君の食器棚からの逃亡は、
幕を閉じたのでした。


おしまい
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by momo-cinnamon | 2006-11-06 01:48 | ゆめとうつつのあいだで

ハシ君とサジ君

ハシ君はしいたけが大嫌いです。
それなのに、小梅ちゃんは
しいたけのマヨネーズ焼きが大好きなのです。

サジ君はほうれんそうが大嫌いです。
それなのに、小梅ちゃんは
ほうれんそうのポタージュばかり食べたがるのです。

ある晩、ハシ君とサジ君は
手を取り合って
食器棚から逃亡する事を決心しました。


つづく
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by momo-cinnamon | 2006-10-29 00:56 | ゆめとうつつのあいだで

ちょうちょの話

ちょうちょの女の子と男の子がいました
いつも二人で、花から花へ
仲良くひらひらと飛んでいました

ところがある日、ちょうちょの女の子は
わるいカラスにさらわれて
桜の木にとじこめられてしまいました

ちょうちょの男の子は、
どうにかして女の子を
救い出そうとしましたが
桜の木に閉じ込められたら最後、
そこから連れ出す事はできないのです

こうなってしまうと、
助け出すチャンスは次の年の春しかありません


実は、ちょうちょの女の子が
わるいカラスにさらわれるのはよくあることで、
さらわれて桜の木にとじこめられたちょうちょは
カラスに魔法をかけられて、桜の花びらにされてしまうのです
そして春になると、元ちょうちょの花びらも
他の花びらと一緒になって桜の花を咲かせます

桜の花のいのちはみじかい

1週間もたたないうちに
桜の花は散りはじめます
元ちょうちょの花びらも
ひらひらと舞散ります

元ちょうちょの花びらは
舞い散って、地面に落ちると
そのまましんでしまいます

でも、ひとつだけ助ける方法があるのです


桜が舞い散る季節、
ちょうちょの男の子は
桜ふぶきの中を
女の子をさがしてひらひらと飛んでいました

たくさんの花びらの中から
ちょうちょの女の子だった花びらを
さがすのはかんたんではありません

なにしろ、花びらなんて
一見ぜんぶおんなじに見えますからね

でも、ちょうちょの男の子は
たくさんのなかから
たった一枚の花びらを見つけ出しました

その花びらは今にも
地面に届こうとしているところでした

ちょうちょの男の子は
いそいで飛んでいくと
その花びらにちゅっとキスをしました

すると、花びらはとつぜん
ちょうちょの女の子のすがたにもどりました
そして静かにはねをふるわせると

ちょうちょの男の子とつれだって
仲良く飛んでいきましたとさ


おしまい
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by momo-cinnamon | 2006-08-22 13:59 | ゆめとうつつのあいだで

羊は風にとばされる

d0043626_2101219.jpg羊は風にとばされる
ごうごうと吹く風に
草をはんでいる所を
ふいに吹き飛ばされて
草原をはなれて
青空をふらふらとただよう

そうするうちに、帰れなくなる

夏の空には、そんな迷子の羊がたくさん
だから、空の羊飼いは夏がいちばん忙しい
迷子の羊をつかまえて
ふるさとの草原につれていくのが
空の羊飼いの仕事

大きな虫取り網をかざして
迷子の羊をつかまえる
地上にひっぱりおろす

所在無さげな羊の瞳をのぞきこみ
「君はどこからきたの?」とたずねる
心細げに「メエ」とないた羊の瞳には
ふるさとの景色がうつってる

羊飼いは羊を連れて
バスにも乗る
電車にも乗る
近くだったら
自転車にのせて
羊を送り届ける

群れにかえった羊は安心して
草をはむはむ、草をはむ
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by momo-cinnamon | 2006-07-19 21:02 | ゆめとうつつのあいだで

中国行きのスワンボート1

d0043626_13111385.jpg彼は田中さんといいます。
あたまから火がでています。
炎のスケーターなのです。
田中さんが氷の上を滑ると、
ぱっと赤く燃え上がります。
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by momo-cinnamon | 2006-03-04 13:12 | ゆめとうつつのあいだで

中国行きのスワンボート

d0043626_13372127.jpg
あひるじゃないよ
スワンだよ
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by momo-cinnamon | 2006-02-11 13:37 | ゆめとうつつのあいだで

Oh my Jacky ! 2

d0043626_15534210.jpgコブシ(の芽)「やあ、ジャッキー」
ジャッキー「やあ、コブくん」
コ「ジャッキーは、冬だっていうのに
  そんな麦わら帽子みたいなのかぶってて
  寒くないのかい?」
J「寒くないよ、なにせ僕はクマだからさ、
  たっぷり毛皮着てるから平気なのさ。
  頭が多少すーすーしたって平気なのさ」
コ「へえ、さすがクマだね。」
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by momo-cinnamon | 2006-01-20 15:55 | ゆめとうつつのあいだで

続・ねむいときって

宇宙の本を読んでいて
気づいたら夢の中にさまよい出ていたよ
なんか、ちょっと大気圏の外まで行ってきた

それはいいんだけどね、
はっと現実の世界に戻ってきたとき
ここはどこわたしはだれ
状態だった
あーびっくりした
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by momo-cinnamon | 2005-12-16 21:53 | ゆめとうつつのあいだで

夕暮れ

夕暮れ時の赤い空に
富士山のシルエットが浮かぶ

そらにやまがとけていく

雲は少しずつ確実に形を変えて
気がつけば夜

寒いのは好きじゃないけれど
透明な冬の冷たい空気は好きだ

そんなわけで、
明日も晴れるといいな
と、思うんだ
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by momo-cinnamon | 2005-11-18 20:39 | ゆめとうつつのあいだで